盛岡ネタを2本
2023年4月10日
このウェブサイトの名前にも関係しているのですが、私の両親は盛岡出身です。盛岡というと、時々「ああ、青森ですね」と言われたりしていました。盛岡は岩手県の県庁所在地なのに知名度が低いなあといつも思っていたものです。ところが、友人から「今年行くべき52箇所」でロンドンに次いで盛岡が2番目になったという朝日新聞の記事が送られてきてビックリ。地元に住む妹に電話で聞いてみたら、「なんか実感ないのよねえ」と言われて、こちらもまあ、そんなもんだろなあとつくづく思っていたのですが、友人等にはこの朗報をメール等で共有した次第です。
実は、私の妻(オランダ国籍)はもう盛岡に足を運ぶこと30年以上で、「盛岡は田舎よねえ、仙台の方が楽しいのに」と言いながら帰盛する度に愚痴をこぼすのが若干悩みでもあります。私自身、盛岡には住んだ事がなく、中学と高校は青森市内で過ごしたので、幼馴染みがいる訳でもなく、知り合いは協力隊時代の同期や先輩隊員くらいという土地です。でも、この朝日新聞の記事にも書いてあるように、いろんな魅力があるなあと、この歳になって気がつくようになってきました。
盛岡近郊には温泉が多くあり、岩手富士と呼ばれる岩手山が街中からどーーんと遠望できる。麺類もジャジャ麺、冷麺、そしてワンコ蕎麦と豊富な種類があり、観光客にも人気が高いです。クラフトビール屋もいくつかあります。妹が電話でチラッとこぼしていたのですが、「もう少し宣伝が上手ければ、盛岡も知名度も上がるのにねえ」と。確かにNYなどと比較するのはお門違いでしょう。でも自家焙煎のカフェも市内に幾つかあるし、美味しいお菓子や日本酒も豊富。そんな渋い街なのかもしれません。やっぱり盛岡は、あまり観光客で溢れないくらいの知名度が分相応なのかもとここケニアで考えたりしている昨今です。


そして、盛岡ネタをもう一本。作家の 沢木耕太郎が『天路の旅人』を完結させ、出版されているのですが、冒頭部分の取材過程がネットで読めるようになっています。そして、主人公である西川一三さん(『秘境西域八年の潜行』の著者)は西藏放浪後、日本に帰国してから、一商人として盛岡で人生を終えたと言うのです。今度帰盛したら、その足跡を追ってみたいと思っているところです。
https://www.shinchosha.co.jp/book/327523/preview/
生前の西川さんと仲が良かったのが、元読売新聞社の記者で、40年以上前1979年9月から地平線通信を毎月発行している江本嘉伸さんです。私も知らなかったのですが、2022年11月の地平線通信に、江本さんによる「天路の旅人」の紹介があることを、大学の大先輩である梶光一さん(農工大名誉教授)から教えてもらいました。念のためお知らせします。
http://www.chiheisen.net/home.html
ケニアにいて、チベットのことに想いを馳せるのも何となく違和感がありますが、盛岡と縁のある西川さんをこの際に知ってもらえたら何よりです。
朝日新聞の記事(2月27日夕刊)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15567462.html?iref=pc_ss_date_article