ケニアのお茶・Gatura Greens紅茶農園のツアーに参加(2021年9月19日)

 週末にナイロビ北東部にあるThikaという街に行こうと誘われて時に、パッと思い浮かんだのがコーヒー農園でした。Lonely Planetという英語のガイドブックにも取り上げられており、一度アフリカのコーヒー畑を訪問してみたいと以前から思っていたのでいい機会だと思ったのも束の間、行こうとしていた日に残念ながらツアーが無く、紅茶農園に代わりに行くことにしたと友人に告げられ、いささかガックリしたものの、まあいいかと気を取り直して旅に出ることにしました。ナイロビ市西部に拡がる紅茶農園もこれまで覗いてきましたが、お目当てのリーフ茶は販売されていなく、丸い粉末状(CTC製法[1]と呼ばれている)のお茶ばかり。今回オランダに戻った時に、ダージリンやアッサムのリーフ茶を数袋持ち帰ってきたくらいです。ケニアは世界でも有数の紅茶産地なのに、旧植民地の英国にいいお茶は輸出されてしまって、クズの紅茶しか地元では飲めないものだと、半ば諦めかけていた頃でもありました。

 今回訪問したところは、半日観光ツアーになっていてお昼付きで3500シリングと少し高め。Gatura Greensという紅茶農園です[2]。渓谷が近くにあり滝壷で泳げるというのでそちらを期待して参加。ところが、3代目のオーナーのロバートさんはなかなか博学で、他のお客が来るのを待つ間、ケニアの紅茶業界について色々と教えてくれました。そして自前の紅茶も試飲もさせてくれ、その中にあったのがパープル茶。文字通り、紫色のお茶です。物珍しいので他のお客もマリエッタも一緒に試飲させてもらったら、なんとも滋味。ブルーベリーとかにも含まれるアントシアニンがこの紫茶にも多く含まれているというのではありませんか。いろんな効用があるアントシアニンですが、視力改善作用もあるとのこと。健康に良さそうなお茶なのです。

 ツアー客(この日は20名以上いて子供達も多数参加)と一緒にこのお茶を栽培している農園へ出かけるも、通常は緑色のお茶畑が、見事に一面紫色。ロバートさんの指示で我々も、お茶摘みをすることに。日本では一芯二葉というそうですが、新芽とその下の二枚の葉を摘む作業をしてみるも結構面白いのでした。葉の大きさが小指よりも大きいのは大きくなりすぎているので摘まないように!という指示も出たりして、子供も大人も楽しそうに小袋に一杯になるくらい集めて、会場に戻りました。

 会場ではどうやって紫茶を作るのか簡単に説明があり、それを実践させてくれるというので、ワクワクしながら陣取りました。火鉢が既に準備されていて、 摘んできた葉っぱが鉄鍋に放り込まれて軽く炙られるのです。シンナリとして量が半分位になってところで、今度はまな板(本来なら竹のザルを使うそうです)に載せされて、Rollingという揉む作業。子供達も楽しそうに取り組んでいました。揉むことによってお茶の香りが漂ってくるというのですが、本当にそうなので、この化学反応にはびっくりしました。揉まないと味も香りも出ない。この辺はネットで調べてみようと、作業をしながらその時は思ったのですが、この記事を書いている時点でも未だ調べきれていません。  こうやって手で揉まれたお茶を今度は乾燥させる作業に入るのですが、1−2時間かかるというので、この時間に滝壺へのツアーが始まりました。標高2000m近くでひんやりした気候でしたが、幸い晴天だったこともあり、西洋人グループのみならずケニア人も水着に着替えて束の間の水浴びを滝壺で楽しみました。そして会場に戻った頃には腹ペコ。バイキングスタイルでお肉や野菜、ご飯にチャパティのランチをたっぷりいただきました。

  そしてこの後に、お茶の試飲会。10種類以上のお茶の説明を受けたのですが、どれも独特。好みのお茶を買うことにしました。心憎い気配りとも言えるかもしれませんが、自分たちで摘んだお茶が乾燥されて袋に入っており、それをオーナーのお姉さんが帰り際に一人一人に手渡してくれたのでした。紫茶は、日本でも既に販売されているようです(福岡の業者でお値段は現地のほぼ7倍![3])。ナイロビ市内でも紫茶などの注文をオンラインで受け付けて届けてくれるとのこと[4]。この農園では、紫茶以外にも正統な紅茶も売っていてこれもなかなか美味しいことが分かりました。日本へのお土産にもいいかもしれない?

[1] https://www.herbery-earth-story.com/SHOP/03010001.html

[2] https://www.brewittea.com

[3]CTC製法とは、押しつぶし(Crush)、引き裂き(Tear)、丸める(Curl)という紅茶の揉捻処理を、揉捻機によって行う製法で、ティバック等に使われている。ケニアではこの紅茶がほとんどでミルクティで飲まれている。

[4] https://www.gaturagreens.com