UNHCRカクマ支所と、難民キャンプ等の訪問

2022年10月24日

 今回はJICA本部からの調査団2名に加えて、ケニア事務所長、安全管理担当者、そして警備担当のナショナルスタッフの合わせて6名で、9月29日水曜日から10月2日日曜日まで4泊5日でケニア北西部のトゥルカナ郡を視察訪問してきました。メインはこれまで渡航制限をしていたトゥルカナ郡北西部のカクマ周辺での活動再開が可能かどうか、安全管理・治安状況を関連団体や政府機関に聞き取り調査して、今後の判断に向けた準備をするということです。カクマには1992年から難民キャンプが設置され、ソマリア国境に近いダダブと並んでケニアで2大拠点となっており、事務所関係者としては久しぶりの訪問となりました。

 2022年9月現在でカクマキャンプ並びにカロベイエ定住地で延べ24万1000人が住んでおり、WFPなどからの支援を受けて生活をしています。日本からも難民を助ける会(AAR)やピース・ウィンズ・ジャパン(PWJ)がカクマに拠点を置いて、教育分野や雇用促進・若手職業訓練(自動車整備等をトヨタアカデミーと共同で支援)の協力に長年関わっています。

 周辺国からの新規到来は恒常的で今年に入ってから既に17000人を受け付けており、毎日400~500人の難民がカクマに到着していることになります。登録等の手続はカクマ難民キャンプに隣接するReception Centerで一括に行っており、手続等を終えてキャンプもしくは居住地に移り住むまで2-4週間要するとのこと。暑い中、丸裸で遊び回る子供達がいる中、大人たちは深刻そうな顔で食料配布の列に並んでいるのが対象的に感じられました。一方帰還する難民への支援もしており、現在はブルンジのみですが、月に2回ほど80-90名が帰還しているとのことで、昔グアテマラ難民がメキシコから帰還する際に国境まで立ち会ったことを思い出しました。。

 また、この2か月間の様子として、ウクライナ情勢による影響もありWFPからの支援が半減したことから貧困が目立つようになってきて、軽犯罪等も増加傾向にあるとのことから、難民キャンプ内での治安を心配する声も聞かれました。カクマ難民キャンプ並びにカロベイエ居住地への訪問に関しては、グルジア出身のソフィアさんに大変お世話になりました。キルギスでも仕事をしていたことがあり、1年半前にケニアに来たとのことです。多忙のところ便宜を図ってもらったり、こちらの都合で日程が変更となったにも関わらず、現場の担当者とのアポ取りも手伝ってもらい、短い日程でいろんなところを視察できたのが何よりでした。

ナイロビから飛行機で北に向かいロドワというトゥルカナ郡の郡都まで約2時間。カクマはそこから北西に車で2時間ほど移動したところで、南スーダンからの国境にも近い場所です。